いびきが生じると呼吸がスムーズにできなくなり眠りが浅くなります。眠りが浅くなることで、長時間眠りについていても睡眠不足になったり、さらに気道がとざされて塞がると呼吸が止まります。これが睡眠時無呼吸症候群です。睡眠時無呼吸症候群は単に呼吸が止まって寝不足になるだけではなく、同時に体内の酸素が不足することで、循環器系や呼吸器系に悪い影響を与えます。さらに臓器不全や不整脈、心不全、高血圧などといった疾患の原因になることもあります。
いびきや睡眠不足、さらに睡眠中に呼吸が止まってしまうといった症状に心当たりのある方は、重大な疾患につながる前に当クリニックへご相談ください。出来るだけ早いタイミングでの治療をお勧めしています。
気道が狭くなる生活環境とは
1)仰向け
仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込み気道を塞いでしまうため、いびきの原因となります。就寝時は横向きで就寝することをおすすめします。
2)アルコール
アルコールを過度に摂取してそのまま寝ると、あごや舌の筋肉がゆるみ気道を塞いでしまうことがあります。
深酔いの状態で眠りにつくのではなく、少し酔いを覚ましてから就寝するようにしましょう。また、酔った状態で眠りにつき、呼吸がスムーズにできなくなると、酸素不足で臓器が上手く働かず、翌日にまでアルコールが残る(二日酔い)原因になります。
3)飲み薬
精神安定剤や睡眠導入剤を服用したまま眠ると、アルコールと同様、筋肉がゆるみ気道が舌で塞がれてしまいます。さらに、アルコールや薬物を摂取して眠ると脳の判断力が落ちてしまうため、無呼吸になった際に防衛反応が遅れることで呼吸の回復を鈍らせるリスクもあります。
4)老化
老化のために気道やあごの筋肉がゆるみ、気道が塞がれていびきの原因になるケースもあります。高齢者ほど睡眠時無呼吸症候群のリスクがあり、その反面ご年配の人ほどいびきや睡眠時無呼吸などに対する危機感が薄いと言われています。同居されているご家族がおられる場合は、お気づきの際には、お早めにご相談ください。
5)鼻腔、喉、口腔の異常
鼻・喉・口の疾患が原因でいびきが生じる場合は、断続的に大きないびきをかくケースが多く見受けられます。手術で治療が可能なケースもありますので、心当たりのある方は、当クリニックへお気軽にご相談ください。