咀嚼と全身の関わり

3連休の前日ですが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?今年のゴールデンウィークはコロナも落ち着いているので、海外旅行に行かれている方もおられるかもしれませんね。

さて、本日の内容は咀嚼と全身の関係について、歯科雑誌に記載されたものをわかりやすく噛み砕いてご紹介させていただきます。

咀嚼とは、上下顎の歯や義歯により、食べ物を切断・破砕・粉砕し、唾液との混和を行いながら食塊を形成し、嚥下を開始するまでの一連の作業であり、これらの機能を発揮する能力のことを咀嚼能力という。この過程は歯や歯周組織だけでなく、咀嚼筋、顎関節、舌などの多くの器官が強調して行われている。咀嚼の主な目的は、食物の細分化により消化を助けることであるが、その他にも咀嚼には、脳の活性化や唾液分泌の促進などの様々な効果がある。何よりも、美味しい食べ物を噛んで味わうことは、味覚のみならず、嗅覚、聴覚などの感覚を駆使して快感を得ることであり、他に代え難い「楽しみ」であると考えられる。

・・・なにやら難しく書いてあります。

つまりこれはどういうことかというと、咀嚼(そしゃく)を行うつまり噛むことは、ただ食べ物を細かくしているだけではなく、噛むことによる楽しみが咀嚼によってもたらされているということです。

この文章はこう続きます。

一方、歯の喪失や咬合の異常により、咀嚼能力は低下する。咀嚼能力の低下は、摂取可能食品の選択肢を狭め、栄養摂取に悪影響を及ぼす。それにより全身的な健康状態は悪化し、最終的にはQOL(Quaolity of life)や、ADL(Activities of daily living)の低下を引き起こすことから、咀嚼は生命維持に必要不可欠な機能であるといえる。

咀嚼能力の低下は食べれるものの種類を限定し、これは栄養状態の悪化を生み、しいては全身の不健康を招き、身体能力の低下などを招くということでしょう。

歯を失うことは、その時だけでなく、その後の人生において大きく影響が出てきます。

ましてや、全身的な健康状態の悪化なんてことになってしまうなんて思いもしないかもしれませんが、まるでバタフライエフェクトのように、歯の喪失が回り回っていろんなところに悪影響を及ぼしてしまいます。

有名なところでいうと、歯周病と糖尿病歯周病とメタボリックシンドローム、などの関係が挙げられますが、最近のところでいうと動脈硬化認知症にも関係しているというのですから、健全な咀嚼をするということがどれだけ大切かわかります。

現在では20代でも約2〜3割が歯周病に感染しているといわれています。虫歯は、フッ素入り歯磨きの増加や適切な行政による口腔衛生指導により一時期より減少傾向にあるといわれています。

つまり歯の喪失の原因は圧倒的に歯周病によるものが多く、さらに若年齢化しています。

健やかな生活を維持するには、健診と検診、2つの「けんしん」を上手に受診することが大切です。

セルフチェックだけでは行き渡らないところをプロフェッショナルケアで診てもらい、早期発見早期治療を行うことが肝心なんですね。

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